新川アイドルプロジェクトのメンバーが新川地域のキーパーソンに突撃インタビュー取材をする企画。第6回目は宇奈月温泉自治振興会会長・河田稔さんに会長のお仕事や宇奈月温泉の魅力、これからの宇奈月温泉についてのことなどについてインタビュー!
宇奈月温泉自治振興会会長・河田稔さんにインタビュー。
宇奈月温泉
自治振興会会長 河田 稔さん
1943年生まれ、黒部市宇奈月町出身。東京の中学・高校を卒業後、富山の新聞社に就職。40年以上に渡り記者として務め、退職後に地元宇奈月温泉の自治振興会会長に就任。日々、宇奈月温泉を良くしていくために尽力している。
主な仕事は地域住民の生活がスムーズに進む為のまとめ役です。昨今は観光だけでなく、環境や学校教育のことなど、地域には様々な課題があります。
私は地元宇奈月町で生まれましたが、中学・高校と東京で過ごし、富山に戻ってきてからは40年以上新聞社に勤めていたので、あまり宇奈月町との関わりがありませんでした。退職後、やっぱり地元のために尽力したい、という思いが生まれ自治振興会の仕事を始めたのですが、ちょうど私が会長になったときは最初の過渡期を迎えていました。観光の形態も多様化し、経済も落ち込んだ影響で観光客も伸び悩んでいました。住民の生活も少子高齢化・人口減少が顕著になっていたので、まずは地域を活性化させないといけない、と感じました。伝統や歴史・文化の見直しのほか、古くなった街路灯の整備や宇奈月温泉にあった銭湯の老朽化に伴い、新たに湯めどころ宇奈月総湯としてリニューアルしました。
元々宇奈月温泉は険しい地形に阻まれた未開の地でしたが、大正時代に高岡市出身の高峰譲吉博士がアルミニウム製造に伴う電力確保のために発電所を開発したのが宇奈月温泉の始まりです。その過程で温泉地だけでなく、スキー場やプール、遊園地などを合わせた複合リゾート地として全国に知られる存在となりました。この壮大な温泉地の成り立ちやロマンがとても魅力的で、その後全国から多くの著名人も訪れ、今でも公園には短歌や歌碑が刻まれています。
また、黒部峡谷の玄関口として自然溢れる場所なのは皆さんご存知の通りだと思いますが、源泉である黒薙温泉から豊富な湯量で非常に高温のお湯を7キロに渡ってパイプで街に行き渡らせているのは全国的に見ても珍しいことです。これらが現在に至るまで宇奈月温泉が皆様に親しまれている要因だと感じます。
今年の4月から来年の3月にかけて、宇奈月温泉では開湯100周年事業が行われており、当初は100周年にちなみ100の事業を行う予定でしたが、多くの公募や意見により、今は検討中のものも含めると180以上の企画が進行中です。音楽イベントや演劇、世界の短編映画を集めた映画祭など大掛かりなものから、蛍の観賞会や源泉ツアーなど比較的小規模なものまで、とにかく多くの事業がびっしり詰め込まれていて今年一年は宇奈月温泉にとってとても充実した年になると感じています。
しかし、これを一過性のものにしてはまた廃れてしまい、元の元気の無い宇奈月温泉に戻ってしまいます。私はこの100周年を次の世代に宇奈月温泉の魅力を継承するための大事な一年と捉えています。時代がどんどん変わっていく中でこれからどんなことが求められるのか、その感性が最も鋭いのは若い人だと思います。様々なイベントや事業を通して元気な宇奈月温泉を知ってもらい、そこから来てもらった人にまた来てもらえるような環境づくりやもてなしなどの施策を進め、新たな宇奈月を創出してもらえたら、この100周年事業はより効果的な事業になると思います。宇奈月の未来は若い皆さんに託しますよ。
新川アイドルプロジェクトメンバーとともに恒例の記念撮影。
LOVE DREAMのポーズにも快く応じていただいた。