新川アイドルプロジェクトのメンバーが新川地域のキーパーソンに突撃インタビュー取材をする企画。
第10回目は黒部Uプロジェクトの事務局長であり、黒部商工会議所の会頭を務める川端さんに突撃!
黒部商工会議所会頭の川端さんにUプロジェクトのことや今後の展開などについてインタビュー。
黒部Uプロジェクト協議会事務局長
黒部商工会議所会頭 川端 康夫さん
昭和27年7月11日生まれ、黒部市出身。平成7年6月〜令和5年3月まで川端鐵工㈱代表取締役社長を務める(現会長)。平成19年11月から黒部商工会議所会頭を務め、平成20年からは(一社)黒部・宇奈月温泉観光協会代表理事も兼任。趣味は鉄道・海外旅行・音楽鑑賞。
私は元々うなぎが好きで、15年ほど前からうなぎの養殖などについて独自で調べていました。事業として始まったのは2021年、自分と同じくうなぎが好きなメンバーが集まり「美味しい地元うなぎを食べたい」というシンプルな理由で始まりました。また、宇奈月温泉開湯100周年のタイミングで「食で」宇奈月温泉を盛り上げたい・新たな名物を作りたいという想いのほか、「うなづき」と「うなぎ」の語呂の良さ・宇奈月温泉の標識がうなぎに似ていることもきっかけのひとつですね(笑)
意気揚々と始まったUプロジェクトでしたが、当初周りからは「本当にうなぎを名物にできるのか?」という意見もありました。そもそもうなぎは静岡県や鹿児島県など暖かい気候の地域での養殖が盛んで、新規の養殖地参入にはいろいろな基準をクリアする必要がありました。
そこで目をつけたのが県の高付加価値事業で、富山県水産研究所指導のもと宇奈月温泉の温泉水を活用して無給餌飼育を行ったところ、身の柔らかさや臭いの軽減など一定の温泉水の効果が確認されました。また、温泉水にゆずを浮かべることで香味成分のリモネンが筋肉中に蓄積され風味が付き、何度か行われた食味試験でも通常のうなぎより美味しい、という意見をいただきました。食品研究所での皮の厚みや弾力・ペーハーテストなどを重ね、早ければ今年の5月か6月には商品化に漕ぎ着けられそうです。
いま市場に出回っている中国産などに比べ多少割高ですが、安心安全の国内ブランドとしてイメージ付けをするだけでなく、絶滅危惧種に指定され規制が高まっているなかで安定供給できる仕組みづくりやクオリティを保つことができるかが今後の課題と言えます。
3年前から生地地区の川にニホンウナギの稚魚を放流するプロジェクトが始まり、いま順調に生育が進んでいます。今後放流する稚魚を増やし安定供給出来る地場うなぎの産地となれば、ゆくゆくは「黒部産うなぎ」として出荷することも可能になります。そのときまでにブランディングを確立するためにも、今は温泉水うなぎのプロモーション活動を精力的に行っていく予定です。
先日、農林水産省のプログラムでマスターズシェフが各地の観光地の素材を活かした料理を考案する食材に温泉水うなぎが選ばれました。これを機に、既存の蒲焼きやうな重だけでなく新たなうなぎのメニューが開発されれば旅館や飲食店での料理のバリエーションも増えますし、「冬場はカニ、夏はうなぎ」を求めて観光客を中心に宇奈月温泉をはじめ黒部市に来てもらうきっかけにもなります。各旅館等がそれぞれ趣向を凝らしたオリジナルのうなぎメニューを発表するコンテストを開催するのもいいかもしれません。
また、うなぎの商品化と併行して黒部市のブランド魚・キジハタを温泉水で養殖するプロジェクトも進行中なので、こちらが成功した暁には黒部市の新たな名物がまたひとつ増えて、全国の人に黒部市が知ってもらえる要素が増えると思うと今からとても楽しみです。
あい・さくら・みぶき・ゆわの4人で訪問、恒例の記念撮影。